雅くんの
クリスマスの願いごと
あなたにおくる おはなしのほん
ますやま あつし作
CABジャパン編集
ヴァレリー・ウェブ画
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福海 雅治 さま
メリークリスマス!
これは あなたのために特別に作られた本です。
素敵なクリスマスを
二人で迎えましょうネ!
2004年12月24日
山田 華子より
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「今年のクリスマスプレゼントはどうしよう?」
35歳の雅くんは ため息をつきました。
世の中はクリスマスムード一色。
街はうきたつような空気に包まれています。
でも、雅くんの目下の悩みは、
こうじくんと、さんまちゃんへの
クリスマスプレゼントが
きまらないことなのです。
部屋に飾れらたクリスマスツリーを眺めながら、
雅くんは 35回目のため息をつきました。
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幼い頃、クリスマスの朝には、
プレゼントがいつも枕元に置かれていました。
でも雅くんは、もう自分でプレゼントを
探しにいかなければならないのです。
『電話一本、30分でお届け』 してくれる、
ピザ屋みたいなサンタクロースはいないかなあ。
プレゼントのことを考えすぎて、
雅くんの頭はオーバーヒート気味!
そのときでした。
郵便受けがコトリ、と小さな音をたてたのは。
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郵便受けをのぞくと、
見慣れない模様をあしらった、
一通の手紙が入っていました。
そこには消印も、長崎県の
雅くんの住所もありません。
ただ、『福海 雅治様』 という文字が
あるだけです。
封を切った雅くんは驚きました。
そこには、こんな文章があったのです。
福海 雅治 様
わしはサンタクロース。
クリスマスはもうすぐじゃが、
いかがお過ごしかな。
サンタクロース??
雅くんの頭はいっきに真っ白になりました。
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サンタクロースの国は今、
クリスマスプレゼントの準備で大忙しじゃ。
なにしろ、世界中へプレゼントを
運ぶんじゃからな。
雅くんはどんなプレゼントをお望みかな?
サンタクロースの国、特製クッキーはどうじゃ。
もみの樹の形をしていて、
それはおいしいクッキーじゃよ。
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雅くんはやっぱりそうかと思いました。
これは最近、近所にできたケーキ屋の、
ダイレクトメールに違いありません。
でも手紙の文章はまだまだ続きます。
プレゼントの用意ができると、
こんどはトナカイたちの準備をしなきゃならん。
金の鈴がついたひもを、
一頭一頭つけていくんじゃ。
これがあの有名な
「ジングルベル」という曲になるんじゃよ。
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雅くんは、信じられない、と思いました。
サンタクロースなんて架空の人物で、
そんな話はとっくに卒業したはずなのに・・・
でも手紙には・・・
サンタクロースなんているもんか、
と思っておるじゃろう。
サンタクロースを見たかったら、
クリスマスイブに
サンタクロースの国にくるとよい。
世界中の国々に飛び立つ
サンタクロースのソリを、
一般公開しておる。
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雅くんは、またわからなくなりました。
どうやらこれはケーキ屋どころではなさそうです。
もしかすると
フライドチキンの店かもしれない!?
雅くんの脳裏に、小太りで、
めがねをかけ、
いつもニコニコして町角に立っている、
とあるおじいさんの姿がうかびました。
わしはみんなの視線を浴びながら
ソリに乗り込む。
まるでスターになったきぶんじゃ。
あたりは大騒ぎさ。
みんなの寝顔を見るのもいいが、
幸せそうな笑顔を見るのは、
もっといいもんじゃよ。 |
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雅くんはちょっとばかり想像してみました。
もし自分がサンタクロースの国に行けたら!
なんてわくわくする光景なのでしょう。
そうか、これは旅行会社のパンフレットなんだ!?
『冬休みはスキーをかねて
サンタクロースの国へ!!』
こんなキャッチコピーがうかびました。
みんながわしに手をふってくれておる。
いよいよ出発じゃ。忘れ物はないかな?
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それからわしは、トナカイたちに、
「さあ、行こう!」と声をかける。
するとそりはあっというまに空の上。
空気は冷たいが、とてもよい気持ちじゃ。
いちど乗せてやりたいくらいじゃよ。
この手紙は航空会社の
パンフレットなのかもしれない!?
と 雅くんは考えました。
北欧の空を遊覧飛行する会社なのです。
でも、雅くんは高いところはちょっと苦手です。
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めざす家に到着すると、さあ仕事じゃ。
エントツから、といいたいところじゃが、
近頃はエントツのない家が多いから大変じゃ。
なんとか家に入りプレゼントを置いたら、
すぐ次の子の家にいかなきゃならん。
プレゼントのリストは、
子供たちの名前でいっぱいじゃ。
こんどは警備会社のパンフレットかな?
と 雅くんは思いました。
『サンタクロースも入れない防犯装置』 じゃ、
サンタクロースがかわいそうです。
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目のまわるような夜を過ごして、
クリスマスの朝に帰ってくるころは、
もうへとへとじゃが気分はそう快じゃ。
この一夜のために、
一年を過ごしておるからな。
わしは妻に子供たちの様子を話してやる。
あの子は今年もいい子にしておったよ、
というと、妻もとても嬉しそうじゃ。
そうそう、わしは 雅くんの、子供のときの
寝顔を見たこともあるんじゃよ。
結婚案内のパンフレットだったのか、
と雅くんは思いました。
でもサンタクロースにもおくさんがいるなんて!
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クリスマスの前には、
たくさんのおもちゃを作る仕事が
わしを待っておる。
家では、一日中にぎやかな音がしているが、
それはおもちゃを作る音なんじゃ。
こんどは隣町にできた
大きなおもちゃやさんかな?
と 雅くんは考えました。
そして子供のころ、目が覚めると、
きまって枕元に置かれていた
プレゼントのことを思いうかべました。
昨夜までなかったおもちゃが、
朝そこにあるのは、
とても不思議で、魔法のようでした。
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雅くん、
おまえさんは
もうおもちゃで遊ぶ子供ではないが、
今回のクリスマスには、
特別にプレゼントをあげることにしょう。
はてさて、何だと思うかね?
この手紙を最後まで読んでくれればわかるが、
それはまだ秘密じゃ。 |
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そろそろたくさんのプレゼントが、
きれいに包まれて、
いろんな国に旅立つところじゃ。
サンタクロースのプレゼントというもんは、
ただおもちゃを包んでいるだけではないぞ。
その中には、
夢だの、希望だの、感謝だの、
愛情だのといった
気持ちがいっぱいつまっとる。
子供たちは、プレゼントをあけたとき、
その気持ちも一緒に受け取ることになるんじゃ。
もちろん、雅くんや
こうじくんと、さんまちゃんへの
プレゼントにも入っておるとも。
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さあ、いよいよ出発じゃ。
わしはおなじみの赤い服を着る。
北極の空の凍るような寒さも気にならんような、
完全防寒仕様じゃ。
プレゼントをつめた大きな袋をソリに乗せ、
たくさんの子供たちに会えるのももうすぐじゃ。
外はもう、しんしんと雪がふっておる。
雅くん、おまえさんへのプレゼントは、
山田 華子にあずけておいた。
ま、楽しみにしておれ。
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わしは空をひとっ飛び。
ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア、そして
長崎県にもプレゼントを届けにいくぞ。
プレゼントを待っとる子供たちは
世界中におるからな。
そうじゃ、忘れておった。
わしがこんな手紙を書いたのは、理由がある。
プレゼントが無事おまえさんへ届くには、
ひとつ条件があるからなんじゃ。
それはクリスマスの朝に、
ひと言こういえばよい。
つけくわえるなら、できるだけ明るく、
楽しくやってくれ。
雅くんは、
いそいで最後の紙をめくりました。
そこには・・・
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メリークリスマス!
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雅くんは、
こうじくんと、さんまちゃんへの
プレゼントを選びにコートをはおると、
楽しそうに出かけて行きました。
ポケットには、
サンタクロースからの手紙が入っています・・・
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